シソの育て方は?
室内でも栽培できる?種や苗から育てる方法を詳しく解説!


料理の薬味としても主役としても、さまざまな活用方法があるシソ(紫蘇)。
爽やかな香りで、葉だけではなく芽や花も楽しめます。
シソをプランターで種や苗から育てる際の、土や水やりなどの詳しい栽培方法と収穫方法、また、意外と知らないシソと大葉との違いなどをご紹介します。

 

シソとは

ジャンル:野菜
形態:一年草
学名/Perilla frutescens var. crispa
原産地:アジア

爽やかな香りが特徴的なシソ。
和風料理の薬味としてだけではなく、日本料理の食材としても広く使われています。
日本でのシソの歴史は古く、栽培が始まったのは平安時代ともいわれています。
「シソ」の呼び名は中国の漢名「紫蘇」から。
シソの原産地は広く、ミャンマーやベトナム北部、中国、韓国、日本と広く分布しています。
 
シソは草丈約70〜80cmほどで、寒さには弱く暑さには強い特性を持ちます。
一年草ですが、一度育つと葉がどんどん茂り、こぼれ種からも翌年自然に芽が出てくることがあります。
 

シソの特徴

シソは葉だけではなく、芽や花など、生長のあらゆる段階で食べ方を楽しめる野菜です。
 

青ジソ

清々しい香りが特徴の青ジソ。「和風ドレッシング」などに使われます。
見た目はきれいな緑色で、葉は柔らかく防腐、殺菌効果があり、刺身などのツマとしてもよく使われます。
青ジソは温室栽培により出荷の時期が安定しているので、一年を通してスーパーなどで購入可能ですが、本来の旬の時期は5〜8月頃になります。
 

赤ジソ

葉の色が赤紫色をしているものを、総称して赤ジソと呼びます。葉は縮れたものとそうでないものがあります。
赤ジソは青ジソと違い、通常は生のままでは食べることがほとんどなく、梅干しを漬け込むときに使われたり、乾燥させてふりかけなどに使う「ゆかり」として親しまれたりしています。
また、市場に出まわる時期が限られているのも赤ジソの特徴。赤ジソが市場に並ぶのは6〜7月中旬頃の間、ちょうど梅干しを漬ける時期と重なります。
 

芽ジソ

発芽したばかりのシソの芽のことを「芽ジソ」といいます。
芽ジソには種類があり、青ジソの芽ジソは青芽(あおめ)、赤ジソの芽ジソを紫芽(むらめ)と呼びます。どちらも1cmほどの大きさで、薬味として使われたり、サラダに散らして使われたりします。
シソを種から育てる場合は、間引いた芽を芽ジソとして使ってみるのもよいでしょう。なお、市場では一年を通して購入することができます。
 

穂ジソ、花穂

穂ジソとは、シソが生長して花を咲かせ、実がついた状態のものです。花穂は、穂ジソと呼ばれる前の段階の、花が6〜7割ほど咲いた状態で収穫されるものをいいます。
花や実は、どちらも軸についたままの状態で売られています。
見た目の華やかさと風味のよさから、刺身の添え物として使われることが多い穂ジソと花穂。
軸から花や実だけを落として、しょうゆ漬けや福神漬けにしたり、軸が柔らかい場合は軸ごと天ぷらにしたりなど、あらゆる方法で使えるのも特徴です。
 

シソと大葉はどう違う?


「大葉」といえばシソと同じものを想像するかたが多いと思いますが、大葉とシソはどう違うのでしょうか。
実際には、大葉とシソは同じもの。
正確には、シソはシソ科シソ属に属する植物すべての総称ですが、
シソといえば一般的に葉である青ジソと赤ジソのことをいいます。
さらに、大葉は青ジソに対して使われる呼び名です。

同じ野菜ではありますが、青ジソが植物名で、大葉は加工食品として販売される商品名とされています。
青ジソが大葉と呼ばれるようになったのには、シソが市場に出まわるようになった頃に理由があります。
シソがシソ属を総称しているため、「花穂」や「葉」と区別されるために呼び名が必要になり、
そこでつけられたのが「大葉」という名前。「大きな葉」という意味で商品名となったのが始まりといわれています。
 

シソの栽培に適した環境

日当たり

シソは日当たりのよい場所を好む植物です。日当たりが充分でないと葉がよく育たないまま徒長したり、
葉の色や香りなどにも影響が出てきたりしてしまいます。
日当たりのよい場所を好むシソですが、一方であまりに日当たりがよすぎると、葉に厚みが出て固くなり、
歯触りが良くなくなることから食べるのには向かなくなってしまうことも。
栽培自体は半日影でも可能なので、生長の様子を見ながら場所を移動して、日当たりを調整してあげるとよいでしょう。食べやすく柔らかいシソに育ちます。
 

温度

シソの栽培に適した温度は20度〜30度。もともと寒さには強くない植物なので、
種まき、苗の植え付けとも5〜6月頃が適しています。収穫も6〜9月と、暑い時期におこないます。
 

シソは肥料をよく好みます。
そのため、植え付ける時点ですでに肥料が配合されている土を使うとよいでしょう。
野菜用の培養土はあらかじめ肥料がバランスよく配合されているので、プランター栽培では培養土を使うことをおすすめします。

 

シソの育て方


シソは種から育てる方法と、苗を購入して植え付ける方法があります。
失敗が少ないのは後者のほう。家庭菜園初心者のかたは、植え付けの適期になったら、
ホームセンターなどで苗を探して植え付けてみましょう。
 

種から育てる場合

・種まきの時期
シソの種まきの適期は4〜6月です。
種をまいてから発芽までに通常は10〜15日ほどかかりますが、
土の温度がシソにとって充分に温まっていないと発芽しない可能性があります。
室内で育てる分には問題ないかもしれませんが、外に出したままの場合は、
適期でもあまりに寒い日が続く場合は暖かくなるまで待った方が無難でしょう。
また、シソの種は皮が固いため、土に植える前に一晩水につけて水を吸わせておくのも発芽しやすくなるポイントです。
さらに、シソは発芽する際に光を必要とする好光性種子(こうこうせいしゅし)なので、
覆土は薄めにして、種に充分な光があたるようにしておきます。
このまま発芽まで土が乾燥しないように保ちましょう。
地植え、鉢植えとも発芽して本葉が2~3枚になったら、元気な芽を残して間引きます。
 
・種まきの手順
地植え:株間を30cmほど取り、1つの場所に種を8粒ほどまきます。覆土は薄くなるようにします。
種をまいたら、水で種が流れないように注意しながらジョウロで水をやります。
その後も土が乾燥しないように注意しながら水やりをしましょう。
 
プランター:鉢底に鉢底石を敷き詰め、培養土を入れます。
種を植える際は、鉢の淵から2〜3cm程度スペースを空け、1か所に7粒ほど種をまきます。
株の間は15cmほど取りましょう。なお、容量10リットルほどのプランターで、3株の栽培が目安です。
 

苗から育てる場合

・苗植えの時期
苗植えも種植え同様に、4〜5月におこないます。
 
・苗植えの手順
地植え:直射日光が当たり過ぎない、半日影を選んで植え付けます。
シソは大変よく茂るので、株同士が密集しないよう、株間は15cm以上あけておくと安心です。
 
プランター:種植え同様に、鉢底に鉢底石を敷き詰めて培養土を入れます。
7〜10号鉢に対して、苗1つを目安に植えましょう。
 

水やりと肥料について

 

水やり

シソにとって乾燥は大敵で、乾燥すると葉が傷んでしまいます。
そのため、土は常に湿っている状態を保ちましょう。
水やりは土が完全に乾燥するのを待たずに、やや乾きかけたあたりでたっぷりと与えます。
シソは暑い時期に生長していく野菜なので、土が乾燥していないかこまめにチェックすることが大事。
真夏のベランダなどではプランターごと日影に移動させたり、1日に何度か土の状態を見たりして、乾燥からシソを守りましょう。
 

肥料

シソは生長に際し肥料をたくさん吸収します。最初に植え付けるときに使う土には、
肥料があらかじめ配合された培養土か、用土に緩効性肥料をまぜたものを使いましょう。
シソは虫が付きやすい野菜ですが、肥料を与えることでより虫が付きやすくなってしまいます。
そのため、生長の様子を見ながら肥料を与えることが大切です。
肥料は、植え付けたすぐあとに液肥を月に2回ほど与え、その後も2週間に一度程度液肥を与えます。
 

置き場所

食用のシソを栽培するのなら、先述したとおり日が当たり過ぎる場所は避けましょう。
葉は青々とし香りは強くなりますが、葉自体が厚く、固くなってしまいます。
柔らかいシソに育てるなら、置き場所は半日影ぐらいがベストです。
ちょうどよい場所の確保が難しい場合は、プランターであれば、時間帯によって置き場所を移動するなどして対応しましょう。
 

シソは水耕栽培できる?

シソは水耕栽培が可能です。苗とペットボトルがあればすぐに始められるので、試してみても楽しいですね。
 
・手順
1、空のペットボトルを用意する。
2、きれいに洗ったペットボトルのキャップを外し、上から3分の1あたりをぐるっと一周輪切りにする。
3、切ったペットボトルの上の部分を逆さにして、下の部分に被せる。
4、水と野菜用の液肥を入れ、上の部分から苗を1本挿す。
 
ペットボトルの注ぎ口が狭くなっているため、シソの苗がちょうど引っかかり、下に落ちるのを防ぎます。
 
500ミリリットルのペットボトルなら、キッチンのちょっとしたスペースでも栽培することができますね。
なお、水や肥料はこまめにつぎ足すようにしてください。 

シソの収穫

 

芽ジソ

種をまき、10〜15日ほどで発芽した双葉を収穫します。
種まきをしたあとに余った種があれば、トレイなどにまいて発芽したものを収穫してもよいでしょう。
また、間引いた双葉も芽ジソとして使えます。
 

葉シソ

本葉が10枚ほどになったところで収穫を始めます。
シソはどんどん葉が茂るので、必要な分を下から摘み取ってください。
赤ジソを梅干し用に使う場合は、葉だけ摘み取るのではなく、梅干しを漬け込む時期に合わせて株ごと収穫しましょう。
 

穂じそ(花穂)

シソが花穂を伸ばし始めるのは9月上旬頃。花が3分の1ほど開いたタイミングで、穂ごと収穫します。
 

シソの増やし方

シソは挿し木で育てることができるので、剪定のときに取り除いた茎を使って増やすことができます。
挿し木に適しているのは、15cmほどの茎です。
上のほうにある葉だけを残して下は取り除き、水耕栽培で発根させたら、植え付けの適期に土へ植え替えましょう。
 

シソに付きやすい害虫

シソが気をつけたい害虫は、ヨトウムシやアブラムシ、バッタなどです。
梅雨が明けたあと、葉が乾燥すると虫がつきやすくなるので、こまめに水やりをするのはもちろんのこと、
葉の裏側まで霧吹きで水をかけてあげると害虫対策に効果的です。
また、苗を植え付けたあとにあらかじめ防虫ネットをしておけば、外から侵入してくる虫を予防できます。
 

収穫したシソ(大葉)の保存方法

シソ(大葉)は、冷蔵で約2週間、冷凍にすると約3か月間の保存が可能です。
どちらの場合も、葉がピンとして元気なうちに保存しましょう。
もし葉に元気がなかったら、氷をはった水に10分ほど浸せばみずみずしさを取り戻します。
そのあとはキッチンペーパーで水気を取っておきましょう。
シソを冷凍保存する際は、ざく切りにしてから冷凍すると、調理にそのまま使えて便利ですよ。

シソを育てて料理に使ってみよう!


アレンジ次第でどんな料理にも活用できるシソ。
新しい葉がどんどん茂るので、すぐに活用できなくても、
採れたての状態で冷凍保存して使えば料理の幅が広がりそうです。
水耕栽培も可能なので、気軽に試してみてくださいね。

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