スナップエンドウ
 
 

スナップエンドウの栽培方法は?
プランターもOK!初心者でも安心の種まきから収穫までを徹底解説


栄養豊富なスナップエンドウは、プランター栽培も可能な家庭菜園におすすめの野菜です。
特性に合わせた土作りや種まき、葉やつるの対処法、追肥のタイミングや実の収穫についてなど詳しくご紹介します。
サヤも豆も食べられるスナップエンドウを、ぜひ採れたてで味わいましょう!

 

スナップエンドウの基本知識


別名:スナックエンドウ
科名・属名:マメ科エンドウ属
原産地:アメリカ
 
歴史の古い野菜で、古代エジプトでも栽培されていたと言われるスナップエンドウ。
日本で本格的に普及し始めたのは1970年代のことです。
緑黄色野菜のひとつであり、ビタミンCやビタミンA、B1などが豊富に含まれているほか、食物繊維やミネラルを多く含んでいます。
サヤエンドウ(絹さや)、グリーンピースは同じエンドウの仲間で、
スナップエンドウはサヤエンドウのように莢(サヤ)も食べられ、
グリーンピースのように豆自体を食べて楽しむこともできるという、それぞれの良さを楽しめる野菜と言えますね。

 

エンドウの種類分け

上記のようにエンドウには3種類あり、それぞれに食べるポイントが違います。
サヤエンドウ:未熟な状態のサヤを食べます。
スナップエンドウ:サヤと豆の両方を食べます。サヤエンドウよりも豆が大きい状態での収穫となります。
グリーンピース:しっかり育った豆を食べます。サヤは食べません。
 
また、つるが伸びるかどうかでも分けられます。
「つるあり種」は「つるなし種」に比べて長期間、収穫を楽しめるという特徴があります。

スナップエンドウの栽培の特徴


スナップエンドウを育てる際のポイントとなる特徴は以下の通りです。
ポイントをおさえて栽培すれば、初心者の方でも安心して育てることができます。
また、畑だけでなくプランターでの栽培も可能です。その方法の違いについては後でご紹介していきます。
 

種は春まきと秋まきを行える

スナップエンドウは春まきと秋まきを行うことができますが、メインは秋まきになります。
収穫量も秋まきの方が多くなります。春まきの場合は1〜2月に、秋まきの場合は10〜11月に種まきをします。
 

生育適温:15〜20度

冷涼な環境を好み、苗は温度の低い場所でも強く育ちます。
ただし株が大きくなってからは耐寒性が失われてしまうため、秋まきの場合には種まきのタイミングに注意が必要です。
 

連作を嫌う

スナップエンドウはかなり連作を嫌うため、最低でも3〜4年はマメ科の野菜を栽培していない場所で栽培しましょう。
 

土作りに気を付ける

スナップエンドウは酸性の土壌にとても弱く、事前の土作りが重要になります。
苦土石灰をまき、土壌の酸度を中和させてから種まきや植え付けを行っていきましょう。
また、湿度の高い場所も嫌うため、水はけの良さにも注意します。

スナップエンドウの栽培の準備

 

土作り(畑の準備)

前述したように、スナップエンドウにとって土作りは大変重要な作業になります。しっかり手順やポイントを確認して、スナップエンドウが育ちやすい環境を作っていきましょう。
 

植え付けの2週間以上前

連作を避けるため、3〜4年はマメ科の野菜を育てていない畑に、苦土石灰を散布してしっかり耕します。量の目安は1平方メートルあたり150〜200g程度。pH調整をしっかり行いましょう(6.5〜7.0程度になるように調整)

 

1週間以上前

堆肥と元肥を施して耕します。量の目安は、完熟堆肥を1平方メートルあたり約1.5kg、化成肥料は約50g、過リン酸石灰は軽く約30gです。

<根粒菌>
マメ科の植物は、根に「根粒菌」という菌をもっています。
根粒菌は栄養分を自ら作り出すという特徴があるため、窒素肥料は控えめにしましょう。
あまり多く肥料を与えすぎると、つるボケを起こす可能性があります。
また、秋まきの場合は、元肥を多くしすぎると苗が成長しすぎてしまい、越冬できなくなる恐れも。
元肥は控えめにし、成長期である春先に追肥を行っていくことが大切です。
 

畝作り

種まき、植え付けの前に畝を作ります。
畝の幅は30cm、高さは10cmほどに。水はけが悪いところは畝を高めにしましょう。
 

スナップエンドウの栽培の方法

 

種まき

種はポットにまいて育苗することもできますが、ここでは直まきのポイントについて紹介していきます。
 

種まき

ビン底などで、畝に深さ3cmほどの穴を作ります。
1つの穴には種を3〜5粒ほどまいて、軽く2cmほど土をかぶせて鎮圧。乾燥を避けるためにもしっかり水をやりましょう。


<種まき後のポイント>

マメ科の野菜は鳥に狙われやすいため、本葉が出るまでの間、不織布や寒冷紗をかぶせてしっかり守ることが重要です。
また、寒冷地では寒さ対策として、わらやもみ殻を敷いてから不織布などをかけます。
 

種まきのタイミング

スナップエンドウは秋まきの場合、苗の状態で冬越しをします。
冬越しに適した苗の目安は、草丈が10〜15cm程度。苗は寒さに強いという特徴がありますが、
株が大きくなってしまうと越冬できなくなってしまうため、種まきが早くなりすぎないように気をつけましょう。


間引き

種まき後、発芽までは6〜10日ほどです。本葉が3枚ほどになったタイミングで間引きを行います。
葉が混み合っているところや、生育が悪い苗を間引いて2本立ちにしていきましょう。
2本立ちにすることで、実りが良くなると言われています。

また、もし株が成長しきっていない間に花がついてしまった場合には、花は早い段階で摘み取りましょう。
株の体力を保つことにつながります。
 

支柱立て

スナップエンドウはつるあり種の場合、支柱立てが必要になります。
つるが伸びて15〜20cmほどになったら、支柱を立てて誘引しましょう。
高さが1.5〜2mほどの支柱に、フラワーネットやひもかけます。巻きつかない場合、ひもを横に張って支柱へと誘引します。
 

追肥・水やりの方法とタイミング

先述の通り、スナップエンドウを含むマメ科の植物の根には、窒素を自力で作り出す「根粒菌」が共生しています。
越冬後の株の成長期に追肥は必須ですが、肥料の与えすぎには注意しましょう。
 

秋まきの追肥

1回目:種まきの1ヶ月後
2回目:開花した頃(品種によって、花は白いものと赤いものがあります)
3回目:2回目の1ヶ月後
収穫が終わるまで、繰り返して行っていきます。
 

春まきの場合

1回目:開花した頃
2回目:収穫の最盛期
3回目:2回目の1ヶ月後
こちらも収穫が終わるまで、繰り返して行っていきます。
 

水やり

種まき後に水やりはしっかり行いますが、その後は過湿にならないよう、乾燥気味の状態を保つようにします。
開花した後は、乾燥させてしまうとサヤが美味しく育たないため、雨が降らない日が続いて土が乾燥している時には水やりを行いましょう。

スナップエンドウの収穫


スナップエンドウの収穫の目安は、実がしっかり膨らみ、サヤが鮮やかな緑色になった頃です。
品種によって違いはありますが、開花してから20日ほどして、サヤの長さが7.5cmほどになったら収穫していきましょう。
収穫適期のなかでも早めに収穫を行うと、また次のサヤができ、長い間収穫を楽しむことができます。
収穫のタイミングをすぎてしまうと、サヤや豆が固くなってしまいます。
サヤが水々しく、美味しく食べられる間に収穫したいですね。
 

収穫の仕方

サヤの根元をつまんで、付け根から爪先で折るように収穫します。ハサミを使って切り取ることも可能です。
 

<その他のエンドウの収穫について>

エンドウの仲間は同じ方法で栽培することができますが、収穫のタイミングが異なります。
それぞれの収穫適期も見ていきましょう。

・サヤエンドウ(絹さや):開花してから15日ほど、日に透かした時に中の豆が少し見えるようになったら収穫します。
・グリーンピース:開花してから1ヶ月ほど、サヤに光沢がなくなり、表面にシワがよってきた頃が収穫適期です。
 

スナップエンドウをプランターで育てる場合


スナップエンドウはプランターでも栽培することができ、ベランダでの栽培にもおすすめです。
プランターで育てる場合のポイントをご紹介します。
 

事前の準備〜栽培のポイント

プランター:幅が60〜70cmほどの横長タイプのプランターや、丸い深鉢を用意します。容量が25リットル以上のものが良いでしょう。
土作り:プランターで栽培する場合は、野菜用の培養土を利用するのが手軽でおすすめです。
種まき:ひとつの穴に対して1粒ずつ、3cm間隔で行います。
支柱:つるあり種では支柱立てが必要ですが、プランター栽培には行灯支柱を利用しましょう。場所をとらず、土に差し込むだけで簡単に設置できます。
 

プランター栽培におすすめの品種

広く場所をとれないプランター栽培の場合、矮小タイプの品種を栽培するのが良いでしょう。
「ニムラサナダスナップ」はつるが広がりにくいためおすすめです。
 

スナップエンドウに多い病害虫


スナップエンドウに多い病気や害虫と、その対策をご紹介します。
 

うどんこ病

収穫期の後半に発生しやすい病気です。
葉の表面にうどん粉を薄くかけた白い粉のようなカビが発生します。
ひどくなると株そのものが枯れてしまい、発生してからは対策が難しくなってしまいます。
そのため、事前の予防が大切です。
株の間隔をしっかりあけて種まきを行い、風通しがよくなるようにします。
雑草の除去はこまめに行い、成長して葉が集まっているところがあれば、整枝することも忘れずに。
暑く乾燥している時期は水切れを起こさないようにしましょう。
 

ハモグリバエ

被害が生育初期に進行すると、収穫量が減ってしまいます。
株を毎日チェックし、ハモグリバエが葉を食べた後を発見した際には、すぐに幼虫を捕殺しましょう。
速攻性のある殺虫剤を散布することもおすすめです。
そのほか、媒介元となるアブラムシをしっかり駆除することも大切です。
 
 

採れたてのスナップエンドウと共に美味しい食卓を


採れたてが一番甘いと言われるスナップエンドウ。
家庭菜園で摘み取ったものを、すぐに調理する場合の手順を ご紹介します。
 

茹でる方法

洗ったスナップエンドウのヘタと両側の筋を取り除きます。
その後、塩を少し入れた沸騰したお湯にさっと通し、粗熱をとります。
 

保存方法

茹でたものでも、スナップエンドウは冷蔵で2〜3日しかもちません。
シャキシャキとした歯応えが魅力のスナップエンドウですから、収穫した後は早めに食べることをおすすめします。
もしすぐに食べられない場合は、固めに茹でてから水気をよく切り、密封袋へ入れて冷凍。
使用の際は冷凍のまま調理しましょう。
 

採れたてをすぐに味わえるのが家庭菜園の最大の魅力。
プランター栽培であれば、マンションのベランダでも気軽に育てることができます。
新鮮なスナップエンドウと共に、より美味しい食事を楽しみましょう!

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