ブロッコリー
 

失敗しないブロッコリー栽培方法は?おいしいブロッコリーを収穫するポイントをご紹介!



キャベツなどと同じケールの仲間であるブロッコリー。
花蕾を食す野菜で、見た目がよく似ているカリフラワーも同じケールの仲間であります。
肥料や土、水やりなどの栽培方法を詳しく解説します。
種植えから収穫まで、初心者でも挑戦しやすい方法をご紹介します。
 

ブロッコリーとは


学名:Brassica oleracea / L.var.itarica plen
英名:Broccoli
科名:アブラナ科
属名:アブラナ属(ブラッシカ属)
分類:1~2年草
原産地:地中海沿岸地域
発芽地温:20度~25度
生育適温:15度~20度
 
花の蕾を食用に改良したブロッコリーやカリフラワーは、ケールが突然変異や品種改良を繰り返すことで作られました。
 
暑さにも寒さにも比較的強く、種まきは冬でも春でも夏でも可能です。
 
ブロッコリーは緑黄色野菜であり、ビタミンA、ビタミンCが豊富に含まれています。
抗酸化成分、抗がん成分を含んでいることから、健康野菜として好まれている野菜です。
 
花蕾の付き方から二つに分類されることがあり、
主枝に大きな花蕾が付く頂花蕾型、主枝と側枝両方に付く頂・側花蕾型の二種類存在します。


 

ブロッコリーの栽培カレンダー


・種まき:2月~3月・7月~8月
・植え付け:3月~5月・8月~9月
・収穫(頂花蕾):5月~6月・10月~12月
・収穫(側花蕾・葉):11月~3月
 
ブロッコリーには、春まきと夏まきがあります。
 
家庭菜園では、夏まきが育てやすくおすすめです。
夏にまけば、徐々に気温が下がっていくため蕾の生育に適した環境が続きます。暑い時期を避けて栽培できるため、質の良いブロッコリーの収穫が可能となります。
 
適正の栽培時期は品種により異なるため、確認してから種まきをするようにしましょう。

 

ブロッコリーの栽培方法

ここからは、更に細かくブロッコリーの栽培方法を見ていきましょう。
 

ブロッコリーの種まき・植え付け・育苗


・箱まき:深さ1cmほどの溝を8cm間隔で作ってから、1粒ずつを1cm間隔でまいていきます。
葉が混み合ってくる前に、適宜間引きを行います。本葉が2枚ほどになったら、ポットに移植しましょう。
 
・ポットまき:ポット(7cm程度の物を使用)まきでは、直径3cmで深さ1cmの穴を作り、3~4粒を少し離れた場所にまきます。一週間程度で2本立ちに間引きを行い、本葉が2枚になる頃、1本立ちにします。
 
また、箱巻きやポットまき以外にも方法があります。

・大きめの鉢:3cm間隔に種をまき、本葉が2~3枚出てきたらポットに植え替えるか、畑に移植しましょう。
・発泡スチロール:発泡スチロールの底に穴を空けます。
大きめの鉢同様、3cm間隔に種をまき、本葉が2~3枚出てきたらポットか畑に移植します。
 
深植えはしないように、注意しましょう。


 

ブロッコリーの土づくり


ブロッコリーの土は水はけが重要で、排水性と保水性の良い肥沃な土壌にします。
 
土壌の酸性が強い場合、「根こぶ病」が出やすくなるため、たい肥と石灰を入れてph調整を行いましょう。
この時、phは、6.0~6.5を目安とします。
 
ブロッコリーの畑栽培を行っている場合には、たい肥や元肥を入れる二週間前には、石灰を入れて事前に土を耕しておき、それからたい肥と元肥を入れて土になじませるようにすると良いでしょう。
 
配合土で栽培する場合は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1に、石灰を用土とします。
ここに、化成肥料も混ぜ合わせて使うことがおすすめです。
市販の培養土でも問題なく育てることは可能ですが、石灰などでphの調整を必要とする場合があるので注意しましょう。
 
また、プランター栽培の場合には、水はけが良く有機質の成分と好相性の土を使うことをおすすめします。
プランター栽培であれば、野菜用の培養土がおすすめです。
 
 

ブロッコリーの日当たり


ブロッコリーの生育適温は、15度~20度です。
 
ブロッコリーは、比較的日当たりの良い置き場所を好みます。
半日陰の場所であっても、ゆっくり生長していきます。
病害虫防止の面から見ても、風通しの良い場所で育てると良いでしょう。
 
畑の日当たりがあまりよくないというのであれば、プランターなど移動が可能である容器で栽培を行うと、設置場所での温度調節が可能なので、おすすめですよ。
 

 

ブロッコリーの水やり


土表面が乾いたら、しっかり水を与えることが大切です。
ただし、ブロッコリーは湿度に弱い性質を持っているため、水の与えすぎには注意が必要です。
 
【夏場の水やりのやり方】
基本的には、土表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
湿度に弱いため、排水対策を取って根腐れをしないようにしておくと良いでしょう。
与え過ぎや頻繁な水やりは控えることも重要です。
朝か夕方のいずれか、もしくはその両方とも与えるようにすると良いでしょう。
 
【冬場の水やりのやり方】
ブロッコリーは寒さに弱いため、冬場の水やりは霜が降りてしまわないよう注意が必要です。
ブロッコリーは、通常秋から冬にかけて収穫時期になります。
冬に収穫する場合は、引き続き夏場と同じように水やりが必要です。
しかし、冬場は管理が大変なため、霜が降りる前の11月から収穫することも可能です。
春まきの場合は6月には収穫できます。春夏の状況に応じて、たっぷりと水やりを行うと良いでしょう。


 

ブロッコリーの肥料


ブロッコリーの栽培は肥料が重要になる植物ですが、リン酸不足や窒素が多すぎるなど偏りがあると、
茎葉ばかりが茂るようになり、花蕾ができにくくなってしまいます。
肥料には、バランスが取れた配合肥料が良いでしょう。
 
定植から2週間ほど経過したら、除草をかねて中耕、追肥を行います。
ブロッコリーは葉の大きさからすると茎が細く倒れやすいため、土寄せも一緒に行うと良いでしょう。
 
追肥は、1条植えの場合畝の肩に、2条植えの場合畝の中央に溝を掘ってその穴に入れます。
肥料はそのままにしていると雨で流れてしまうため、肥料の上には覆土しましょう。
そこからさらに2~3週間後に、2回目の追肥・中耕・土寄せを行います。
 
ブロッコリーの本葉が7枚ほど出てきたら、追肥を行い土寄せします。
それから、頂花蕾ができた頃から二週間に一度は追肥を行いましょう。
 
肥料は、葉の少し先の方に施します。
葉の先を目安に、肥料を施していきましょう。
 
ブロッコリーは、肥料を適切に与えた分だけ、株がぐんぐんと生長します。
そのため、しっかり肥料を与えることが、ブロッコリーを育てるうえでのポイントです。
 
ブロッコリーをより元気よく育てたい場合、まずは定植する2週間以上前から苦土石灰を土壌全体にまんべんなく散布し、しっかりと耕します。
そして植えつけをする1週間前になったら、たい肥や化成肥料などで元肥しておきましょう。
 
分量の目安は、1平方メートルにつき苦土石灰は100g、元肥の完熟たい肥や2㎏、化成肥料100gです。
リン酸不足や窒素が多すぎると、花茎ばかりが育ち、花蕾ができにくくなるので、注意が必要となります。
 

ブロッコリーの収穫


・頂花蕾:ブロッコリーの株上部にできた頂花蕾が10~15cm程度になったら、収穫の目安です。
全体が十分に発育して、硬くなった塊の主枝をナイフで切り取りましょう。
頂花蕾の収穫後に出てくるわき芽を育て、二回目の収穫(側花蕾)をすることもできます。
 
・側花蕾:側枝をハサミで切って収穫していきます。
多少若い頂花蕾を短めに切り取り、追肥すると良いでしょう。追肥は、化学肥料を1株あたり一握り施します。
 
ブロッコリーの蕾は、寒い間に徐々に大きくなっていき、しばらく待つと更に大きく成長します。
暖かな日が続くと、一気に蕾が膨らみます。
蕾が飛び出したり黄色くなったりすると、収穫遅れとなってしまいますので、注意しましょう。

冬の間に種まきしたブロッコリーは、春になると収穫可能に。
夏に種まきしたブロッコリーは、秋~冬の時期に収穫が可能になります。


 

ブロッコリーの病害虫


ブロッコリーは、比較的病気は少ない方です。
害虫はヨトウムシやコナガ、アオムシがつきやすいので、注意しましょう。
 

●病気

・軟腐病:細菌が原因の病気です。暗緑色で軟化し、悪臭を放ちながら腐敗していきます。
・モザイク病:ウイルスが原因の病気です。葉全体に黄化したモザイク症状の発生が表れます。
花蕾球の植物には、異常ありません。
 

●害虫

・ヨトウムシ:夜に活動します。葉裏に産卵するため、こまめに葉裏をチェックしましょう。
・コナガ:淡緑色の幼虫が、葉を食害します。
・アオムシ:細かな緑色の毛がうっすらと生えており、葉を食害します。
 
防虫ネットをうまく利用しましょう。
害虫は、見つけ次第捕獲するか、殺虫剤を散布しましょう。
 
ただ、ブロッコリーは比較的丈夫な野菜のため、多少虫に食べられてしまったとしても、
すぐに枯れてしまうことはほとんどありません。あまり神経質にならないでも大丈夫ですよ。
 
 

ブロッコリーの保存のしかた


 花蕾はそのまま放置しておけば花が咲き始めてしまいます。
食味も落ちてしまうため、ブロッコリーを収穫したら早めに食べきることをおすすめします。
 
・冷凍保存:ブロッコリーをビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。
五日ほどで食べきりましょう。食べきれないようであれば、冷凍保存に切り替えます。
 
・冷凍保存:お好きなようにカットして、軽く茹でてから水気を切って、密封袋に入れて冷凍すると良いでしょう。
 

ブロッコリーの様々なレシピ


 ●ブロッコリーの正しい茹で方
材料(2人前)
・ブロッコリー;1株
・お湯:1000ml
・塩:小さじ2
 
1.ブロッコリーを切ります
2.軸を切ります
3.茹でます
 
●ブロッコリーの和風パスタ
材料(2人前)
・ブロッコリー:1/4個
・パスタ:200g
・豆苗:お好みで
・ベーコン:3枚
・鷹の爪:1本
・にんにく:2片
・オリーブオイル:大さじ2
・水:100cc
・酒:大さじ2
・めんつゆ:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1
・塩:一つまみ
・こしょう:少々
 
  1. 塩を入れたお湯で、ブロッコリーを下茹でしておきます。ザルにあげ、常温で粗熱を取ります(水にさらすのはNG)。
  2. たっぷりのお湯に適量の塩を入れ、パスタを茹でます。ゆで時間は表示通りに。
  3. にんにくはみじん切りに切ります。ブロッコリーとベーコンを一口大、豆苗は10cmほどの長さに切っておきます。
  4. フライパンに、オリーブオイルとにんにく、鷹の爪を入れてから中火にかけます。熱してからにんにくを入れると焦げやすくなるので、先に投入しましょう。
  5. にんにくの色が変わってきたら、ベーコンを入れて炒めます。
  6. ベーコンがオリーブオイルに馴染んだら、茹であがったパスタとブロッコリーを加えます。
  7. 最後に豆苗と調味料を追加投入して、混ぜ合わせます。全体に絡んだら完成です。


 

栽培のポイント


・家庭菜園では、夏まきが育てやすくおすすめです。
・種まきの際には、深植えはしないように注意しましょう。
・配合土で栽培する場合、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1に、石灰を用土としますが、ここに、化成肥料も混ぜ合わせて使うことがおすすめです。
プランター栽培であれば、野菜用の培養土がおすすめです。
・ブロッコリーは湿度に弱い性質を持っているため、水の与えすぎには注意が必要です。
・肥料は、バランスが取れた配合肥料が良いでしょう。
・ブロッコリーは寒さに弱いため、冬に栽培するときは対策をきちんと取りましょう。
 

ブロッコリー栽培にチャレンジしてみよう!


ブロッコリーは、実に豊富な栄養素を持つ、栄養価の高い野菜です。
害虫さえ防ぐことができれば、栽培はそれほど難しくはありませんよ。
家庭菜園で、自分で収穫したブロッコリーを頂くとなると、その美味しさは格別といったところでしょう。
ぜひ、病害虫に強いブロッコリー栽培にチャレンジしてみましょう。


 

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